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2007/04/05 (Thu) いつもの朝に

もしも。ある日突然、自分が親兄弟とは血の繋がっていない孤児であると知ってしまったら。そして、本当の父親が血塗れの殺人者であったと知ってしまったら・・・
今まで積み上げてきたもの、環境、愛情。それらが音を立てて一気に崩れ去ってゆく光景を目の当たりにした時、あなたはどうするだろうか。

読感第一弾は今邑彩さんの「いつもの朝に」です。

個人的に、今邑彩さんの作品は高校時代から好んで読んでいました。といっても自分はそれほど文学少年というわけではなくて、むしろ他の作家の著書には殆どと言って良いほど触れていません。
ただ、今邑作品だけは気になるというかなんというか、大学時代の頃などは暇をもてあましていたことも手伝って、書店を見つけては今邑彩という作家の著書を捜し歩いたものです。(そんなことをしなくても今のご時世、ネット販売という便利な方法があるのだけど・・・ご愛嬌)
率直に申し上げると好きなんですね。きっかけは、高校在学当時大流行していた「リング」の影響を受け「他にも怖そうな小説はないかな」と角川文庫のホラー小説を漁っていた時、たまたま目にした「赤いべべ着せよ・・・」を手に取ったことでした。

この禍々しいタイトルに大いなる期待を寄せて読み始めると、これが大当たりだったのです。ホラー要素はもちろん、ミステリー色がわりと強くて、事件の真相をあれこれ思案しながら、あれよあれよと引き込まれるように読み終えてしまいました。
今邑作品の特徴として、非常に後味の悪いものが多いという点が挙げられます。悪い、といっても内容がよくないという意味ではなく、最後の最後で読者を崖から突き落としてしまうというか、予期せぬ終焉を迎える割合が多い。
これがまた個人的にドツボなんです。むしろ、この最後の最後に何が待っているのかを味わうために読んでいるといっても過言ではありません。私はド級のMなのかもしれませんね。
時には事件の真相が、時には謎めいたメッセージが読者に投げかけられますが、どんな形であれ私はその終焉を受け入れることにカタルシスを感じるのです。

そんな自称・今邑ファンの私ですが、ここ数年「蛇神」シリーズ四部作が完結して以降は、全く小説の類を読まない時期が続いていました。(完結編の「暗黒祭」初刊が平成15年1月ですから、大学を卒業する手前ですね。)
ところが先日、ブログで読書感想文を書こうと思い立って図書館に行ったとき、偶然にも今邑作品の最新作(といっても初刊から丸一年が経過していたのですが)を発見してしまったわけです。それが「いつもの朝に」でした。
400ページもの分厚いハードカヴァーでしたが「これは早速読まなくては」と借りてきたのが昨日で、今日の午後には既に読み終えていました。

物語のあらましは、性格の対照的な二人の兄弟の絆が、ある一冊のノートをきっかけに綻んでいき・・・といった家族愛・兄弟愛がテーマとなっています。この作品では旧約聖書の有名な件がモチーフとして度々登場しますが、世界各国の神話をストーリーに組み込んで人物描写を際立たせるプロット作りも最近の今邑作品の特徴のひとつといえます。
また、時代設定も現代ということで、携帯電話やインターネットといった現代人には必要不可欠なアイテムも取り入れて、ミステリーにありがちな閉鎖的空間を極力排除することに努めている点も最近の傾向といえますね。ただ、さすがに素人のファンクラブサイトが立ち上げ早々に機能するというのは強引な気もしますが。
ただ、ボケとツッコミといったコミカルなセリフのやりとりが今までにないほど滑稽にできていて非常に面白かったです。
・・・と、ここまで書いて全く本編に触れてないことに気がつきましたが、それは読んでからのお楽しみ。そして、やはりこの作品も最後の最後に謎掛けが残されていましたね。

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